最近の私どもは、鳥獣被害駆除期間中にて
不定期な搬入に、気がおけない期間でもあります。朝一番の時間は、半分ドキドキしながら過ごします。
朝イチの連絡で、その日の行動を左右されるこの期間は、より早い処理を求められる時期でもあるからです。
最近、清流ジビエでは熟練猟師さんからの搬入もあり、
搬入猟師さんには、私どもが食肉に形成し味付けしたものをご自宅で召し上がって頂くようにしています。
日頃の地域への貢献作業だけでなく、自分で捕獲された個体を家族の皆様で味わっていただきたいからです。
幸い、弊社は食肉加工施設でもあり
適切に加工された精肉は、猟師の方は家族や友人の方と一緒に安心して召し上がっていただくことができ、
はじめは、「いらないよ」と言っていた猟師さんも必要な時は相談して下さるようになりました。
最近捕獲される鹿は、春先に食べた豊富な食物のせいでしょうか・・
みずみずしい肉質から、しっかりした赤身に形成され、
40キロを超えるものにおいては鹿らしい赤褐色の肉質に変化してきています。
最近の鹿は特に健康的で、レバーの張り、弾力といったら素晴らしいものです。
良質な鹿のレバーは張り(固め)厚み(ポッテリ)色(アズキ)は必須です。
キメは細かく、獣肉といわれる匂いはありません。
捕獲後すぐに血抜きラインを入れ、軽く押し洗いで血液を抜いてゆきます。この作業が大切です。
レバーの血抜きに必要な握力は17程度、指に力を入れてはいけません。(レバーの張りが失われます)
私は捕獲後すぐのレバーを丁寧に処理し、知人よりリクエストのあった「鹿のレバーのうま煮」を作ってみました。
材料は至って簡単、田舎風です。贅沢な調理品として、初めての試みをしてみましたところ、
・・・ん?
期待の出来上がりは??
思いの外旨味が出てこない(汗)しかも固い!!
最高なレバーを一頭分!!
新鮮すぎるレバー(旨味すら出てない状態)を醤油出汁の中で泳がせ過ぎた結果でした(涙)
鮮度が良すぎたことによる失敗・・弊社の仮眠熟成の工程の大切さを自分の手によって気づかされてしまいました。
今までやってきた工程は間違いでなかったことが解明され、
尚且つ、上質なレバーは、違う調理に使うべきと学びました。
私は、健康的なレバーにおいては、
鮮度の良い状態で保存を徹底し、調理人の方にお任せしたい食材と確信しました。
それでもYさんは「おいしい」と言って下さいました・・本当に優しい人です。
次回Yさんには、何か特別な料理をつくって差し上げたいと思います(*^^*)